2022年11月20日。
大蔵海岸にアオリイカ狙いでエギング釣行しました。
今シーズンの秋アオリの自己記録は10月19日に釣れた胴長25cm、
重さ790gの1杯でした。
以降、この記録を更新すべく釣行を重ね、もちろんこの日もその意気込みで望んだわけですが、残念ながら釣れたのは胴長20cmと16cmの2杯。
記録更新には遠く及びません。
が、時合いの予想やこれまで使わなかったエギの使用、またアタリがあってからエギに乗せるまでの駆け引きもなかなか楽しいもので、自分なりに納得できる2杯でした。
この記事ではそのあたりのことをお伝えできればと思います。(^^)
本日の潮汐表・水温・天気・釣行時間
- 潮 ・・・中潮1日目
- 水温・・・19.5℃
- 天気・・・くもり
- 風 ・・・北の風少々
- 時間・・・0時30~6時
プロローグ
ターゲットを捉えた。
海面へと上昇しながら右へ左へと逃げ惑っていたターゲットは、力尽きたかのように突然ピタッと静止した。
一気に距離を詰める。
足を広げて襲いかかろうとした瞬間、違和感を感じて立ち止まった。
ターゲットの体の後ろに鈍く光るもの。
本能が危険を告げる。
ゆっくりと後ずさりを始めたとき、ターゲットが急降下を始めた。
せっかく海面近くまで追い詰めたのに、また深い水中へと逃げられる。
反射的に両方の触腕を伸ばす。
そのまますべての足を広げてターゲットを包み込んだ。
今夜の食事を確保できたと思った次の瞬間、大きな力で全身が引っ張られた。
墨を吐く。
と同時に力の限りのジェット噴射。
しかし抗いがたい力で体がゆっくりと引っ張られていく。
ターゲットを抱いていた足をすべて広げる。
が、先程襲いかかるのをためらう原因となったターゲットに感じた違和感・体の後ろにある鈍く光るものが、足の付け根のあたりにガッチリと喰い込んで離れない。
海面が近づいてきた。
足の半分が空中に出る。
ジェット噴射は空中に吐き出され、プシュー、プシューという音が暗い闇に包まれた海の上で虚しく響いていた・・・
エギの後ろにつくアオリイカとのやり取りをイメージする
ルアーフィッシングはイメージの釣りだ。
シーバスフィッシングであれメバリングであれ、すべてのルアーフィッシングにそれは言えるが、特にジギングとエギングはその傾向が強いとぼくは思う。
海中のジグやエギは今どの位置にあるか、それらはどんな動きをし、どのように青物やアオリイカを誘っているのか。
速いジャカジャカ巻きで魚にジグを追わせる。
そこで一度パーンと大きくジグを飛ばす。
一瞬ジグを見失ってキョロキョロしている魚に、ゆったりとしたワンピッチでジグを見せ付け、喰わせにかかる・・・。
そうしたことがしっかりとイメージできているかどうかで、当然ながら釣果に違いが出てくるはずだ。
ぼくも偉そうなことが言えるほどジギングもエギングもやり込んではいないが、一応釣りをしている間は意識はしているつもりだ。
後、大蔵でエギングをするときに大切なのは、潮の状況を把握するということ。
何せ流れるときは川のように流れる明石海峡に面した釣り場であり、さらには隣の釣り人とあまり距離がない人気釣り場であるためにほとんどエギを流すことができないという、なんともエギンガー泣かせな釣り場が大蔵海岸だ。
(堤防の角に入ることができれば別だが・・・)
ぼくもアオリイカ狙いの時は潮流の確認は怠らない。
特にフルキャストから足元までしっかり探ることができる、潮止まりが何時頃になるかは重要だ。
そんなわけでこの日も潮流表と自分の経験から潮止まりの時間を予測してポイント入りした。
タックルを準備し、最初に選んだエギはヤマシタ エギ王LIVE 3.0号 パッションレッドカラー。
まだ潮止まり前だから潮上に向かってエギを投げる。
フルキャストはしない。
カケアガリの向こう側ぐらいに軽く投げ、ボトムは取らずに15カウントぐらいでしゃくり始める。
潮上に投げたエギは最初の15カウントで体の正面近くまで流され、次のフォールで体の反対側まで移動する。
3回目のフォール後のシャクリはほぼ岸壁と水平の状態だ。
隣に釣り人がいなければラインを出してエギを流すこともできるが、今日はしっかり両隣に人が入っている。
エギを回収して投げ返す。
この状況では正直、釣れるとは思っていない。
それでもエギを投げているのは潮が緩んだタイミングを見逃さないためだ。
速かった潮が緩み始めたのはポイント入りしてから1時間が経過した頃。
大潮や中潮の面白い特徴だが、川のように流れていた潮が突然フワッと止まった。
潮止まり。
予想していた時間とほぼ合っている。
ここでエギを同じヤマシタ エギ王K 3.0号 軍艦グリーンカラーのシャロータイプに変更する。
エギ王LIVEの3.0号は約3.5秒で1メートル沈むが、エギ王K 3.0号のシャロータイプは約6秒で1メートルと、およそ倍の時間をかけてフォールする。
その分、イカにアピールする時間を長く取れるわけだ。
今エギを投げているこのあたりの水深は約8メートル。
沼島の波止のように水深15~20メートルもあるようなところでシャロータイプを使うのはさすがに手返しが悪すぎるが、水深8メートル・潮止まりのタイミングの大蔵ならシャロータイプも十分使えるはずだ。
気合を入れ直してシャロータイプのエギをフルキャスト。
しっかりボトムまでエギをフォールさせてから、周辺にいるイカにエギの存在を知らせるように4回大きくしゃくる。
ラインを張らず緩めずでフォール。
リールのラインローラーから伸びるラインに軽く引っ掛けた、左手の中指と人差し指に全神経を集中する。
軽く3回ジャーク。
リールをクルクルっと巻いてラインを張り、そのままロッドをゆっくりとさびいてエギを水平移動させる。
ロッドティップが頭上まで来たところでロッドを一気に前に倒し、エギをフリーフォール。
ゆっくり水平移動していたエギがいきなり真下に落ちるこの動きが、エギの後ろについてきたイカにスイッチを入れることがよくある。
エギをフルキャスト。
ゆっくり大きくしゃくりあげてからフォール。
カウントダウンし次のジャークに移ろうかとしたとき、手元に小さなコツンという感触が伝わった。
反射的にロッドを立てる。
が、ロッドに重みは乗らない。
ん?
今のはアタリか?
あまりに小さな感触にそんな疑問をいだきつつも、すぐに3回軽いジャークを入れる。
ラインを張ってエギをフォールさせていると、やはりそろそろ次のジャークかなというタイミングで、先程と同じような小さなカツンという感触があった。
また反射的にロッドを立てるが重みは感じない。
が“カツン”という感触はイカパンチのアタリに間違いないようだ。
ポーン、ポーン、ポーンとゆったりとしたジャーク。
神経を集中させてエギをフォールさせるが、今度はカツンがない。
今度はチャッチャッチャッと軽くジャーク。
エギを左右に飛ばした後、ラインを張ってロッドでさびく。
カツン!
バシッとロッドを立てるがイカは乗らない。
もう一度3回軽くジャークしてからエギを水平移動させる。
ロッドティップが体の真上まで来たところで一気にエギをフリーフォール。
リールから伸びたラインに左手の中指と薬指を引っ掛ける。
数秒、待つ。
しかしエギがフォールしていく重さを感じない。
居食い(居乗り?)だ。
ラインスラッグを巻き取ってから大きく合わせると、グンッとイカの重みが乗った。
よっしゃ!
思わず独り言が出る。
最初のイカパンチから4回のやり取りでようやくイカを乗せることができた。
グィ~ン、グィ~ンというアオリイカ特有の引きと、海面に浮いたイカのプシュー、プシューというジェット噴射の音を楽しみながら、ゆっくり引き寄せ慎重にタモ入れした。
この時季としては大きいとは言えないサイズだ。
計測すると胴長は20cm。
重さは395gだった。
時合いはまだ続いているはず。
計測もそこそこにエギを投げ返す。
が、イカからの反応がないままに潮が反転。
徐々に早く流れ始めた。
エギをノーマルタイプに戻し、次の潮止まりまではエギを流しながら中層付近を探る。
ここで集中力を切らさないようにするのも大切だ。
最初の1杯が釣れてから3時間。
早い流れにどんどん流されていたエギが、急に着水地点からまっすぐ帰ってくるようになった。
予想よりも少し早い潮止まり。
今夜最後のチャンスだ。
エギを再度シャロータイプに替え、フルキャストしてボトムを取る。
大きくしゃくってフォール、軽くジャークしてフォールを繰り返す。
何度目かのフルキャスト。
ジャークとフォールを繰り返し、エギは足元まで来ている。
軽めに4回ジャークしてフォール。
次のキャストのことを考えていると、最初の1杯の時と同様、控えめなカツンという感触が伝わってきた。
反射的にロッドを立てたが重みはない。
2回、トゥイッチ程度にエギを動かしてからもう一度フォール。
今度は反応がない。
エギは足元にあるので一旦回収。
数メートル先に軽く投げ返す。
まだイカは近くにいるはずだ。
焦らずしっかりエギを沈めてから4回、しっかりとしたジャークを入れる。
フォール中にまたカツンというアタリ。
今度はアワセずに待ってみるがイカは乗ってこない。
エギはまた足元だ。
ゆっくりしたジャークを3回。
ラインを張ってアタリに集中していると、モゾモゾというかカサコソというような感触がラインを通して伝わってきた。
ゆっくり竿先で聞いてみると重みを感じる。
糸ふけを取って大きく合わせるとイカが乗った。
と思う間もなくイカは水面に浮いてきた。
重量感も感じられないので小さい個体らしい。
ヘッドライトで照らすと新子サイズのイカのようだ。
しっかりとエギを抱いているのを確認してから、そのまま波止へと抜き上げた。
まだこんなサイズのイカがうろついてるんだ。
胴長16cm。
とんかつサイズのアオリイカだった。
2杯とも決して満足できるサイズではなかったが、
- 自分なりに予想した時合いに釣れたこと
- シャロータイプのエギを使ったこと
- 水中をイメージしながらイカとの駆け引きができたこと
に満足。
この日は納竿とした。
本日のタックル/エギング仕掛
ロッド
ダイワ エメラルダス MX 86ML
リール
ダイワ 14エメラルダス MX 2508PE-H
ライン
ユニチカ キャスライン エギングスーパーPeⅢ X8 0.5号
リーダー
YGK よつあみ 海藻ハリス 1.75号
ヒットエギ
ヤマシタ エギ王K 3.0号 軍艦グリーン
軍艦グリーンは大人気カラーで、ネットでも実店舗でも品切れ状態が続いているようです。
例によって転売ヤー達も暗躍しているようですが、後少しすれば店頭にも在庫が並ぶようになるし、定価で購入できるようになります。
ここはシーズンオフまで心静かに待ちましょう。(^^)
イカ目線での文章のスタート、ときましたか!^^
潮の早い大蔵で先入観(セオリー)にとらわれず、シャロータイプのエギ、そしてしゃくったあと、ステイではなくフリーフォール、と本当に柔軟に感じたことを試してらっしゃいますよね。
僕はイカは基本やらんのですが(^^;、発想がいつも、とっても勉強なります!
中村さん、こんにちは。(^^)
おっしゃる通り今回の記事のプロローグは新しい試みです。
いつも1行目、一言目を書き出すのに四苦八苦します。(^^;
あーでもない、こーでもないと試行錯誤しながら魚に近づくのも釣りの楽しみのひとつ。
まあ上手くいかない方が多いかも分かりませんが・・・。
エギングはエギをフォールさせる時間がまどろっこしく思えて、ぼくも秋の新子以外のアオリイカに手を出したのはごく最近です。
やりだすと実に面白い釣りですけどね。
食わず嫌いせずに中村さんもぜひやってみてください。(^^)