『おい!海をライトで照らすな!!』

今朝、大蔵海岸で、ヘッドライトで煌々と海面を照らしながら
エギングをしている若い子に向かって発せられたぼくの言葉です。

ぼくに怒鳴られたその子はすぐにライトを消しました。
そして隣でエギングをしていた仲間の子と2人、
しばらくしてから帰っていきました。

このブログの9月8日の記事にしんさんから寄せていただいた

『今現在の明石の夜は剣先イカ師が多くて釣りになりませんね、
 ライトを海面に照らしながら平気で釣ってますもんね。
 困ったものです!』

というコメントに、

『海面をライトで照らしながらエギングをしてるイカ師。
 イカ釣りを覚える前に釣りのマナーの基本をまず覚えてほしいものです。

 ぼくらは夜、ルアー交換でライトを点ける時には
 必ず海に背を向けてからライトを点けます。
 基本中の基本ですよね』

という返事を返しました。

そのすぐ後に大蔵海岸でお会いしたエギンガーの方からも

『最近、海をヘッドライトで照らしながらエギングをやってる人がいて困る。
 そういう人に限ってジュースの空き缶やらゴミ袋やらを
 散らかし放題のままで帰っていく。もう少しマナーを守ってほしい』

というお話を伺いました。

まったく同じような話を立て続けに聞いた後に、
実はぼくもヘッドライトで海を照らしながら
エギングをしている3人組を見かけました。

その時は離れた場所で釣っていたのと、3人組がすぐに場所移動で
どこかへ行ってしまったのでぼくも何も言いませんでした。

が、今日の場合は隣であったことと、自分の真下の海面だけならまだしも
ぼくの釣り座の方までライトを照らしてきたので、
温厚なぼくも(^^;思わず大声を出してしまったわけです。

ぼくが釣りの勉強を始めた頃はインターネットの情報なんてなかったので
まずは『釣り入門』のような本を何冊も買って読んだ覚えがあります。

そういう本には必ず『釣りのマナー』に関する章が設けられていて、
何冊もの本でそういう情報を読むうちに、自然と守るべき釣りマナーが
自分の頭と体に叩き込まれていったように思います。

しかし、今はインターネット全盛期。
どんな情報でも手軽に手に入る代わりに、
基本的な釣りマナーなんて目に留める人は少ないのかもしれません。

また『釣りのマナー』なんてこと自体、
真正面から取り上げて書いてあるサイトやブログも
少ないのではないでしょうか。

何を隠そう、かく言うぼくも3年ほど釣りのブログを書いてきた中で
釣りのマナーに関することを書いたことはありませんでした。

『人の振り見て我が振り直せ』

人の釣りマナーを云々する前に
自分はそのことをブログで情報発信してきたのか?

大いに反省すべき点であり、近いうちに『釣りのマナー』に関する記事を
必ずアップしようと考えていた矢先に今日の出来事があったため、
ちょうど良い機会だと考えてこの記事を書いている次第です。

ぼくも聖人君子ではありませんので、知らず知らずのうちに
マナーを破るようなことをしているかも知れません。
だから決して上から目線で『マナーを守れ!』というつもりはありません。

お互いに気持ちよく釣りをするために、また、釣りという文化が
釣りをしない人からもより良く理解されるために、
耳障りのよくないことをあえて書いているということをどうかご理解ください。
 


 
今は解散してしまいましたが、かつて関西の、
そして日本の釣り文化をけん引してきた
『週刊釣りサンデー』社という会社がありました。

(ぼくもいろいろお世話になりました。(^^)
今、サンテレビのビッグフィッシングに出演している
今井さんや安田さんは週刊釣りサンデー社の元社員の方です)

その釣りサンデー社刊の

『まんがで覚える旬の釣り まいど 釣らせ屋本舗デス』

という上下2巻に渡る本が手元にあります。

例によって釣りのマナーに関する章があり、
『ツリシの心得10カ条』のうちのひとつに次のように書いてあります。

夜釣りでは明かりを海に向けないで

 魚の警戒心が薄れ大胆にエサを食ってくるのが夜。
 昼間は底が見えているような浅場や、
 海面近くの浅ダナで大物が釣れたりします。

 仕掛け作りや餌の付け替えなどなど夜釣りにはライト類が欠かせませんが、
 ライトを使う時は陸を向いて手元を小さく照らすのがマナーです。

 海を照らしたりすると、薄れていた魚の警戒心が強まるでしょうし、
 静かに釣っていた自分の前を他人のライトがチラチラするのは
 気持ちのいいもんじゃないですからね。』

しんさんや、大蔵でお会いしたエギンガーの方、そしてぼくが
ライトを海に向けて照らすのはマナー違反だと言っているのは
決して独りよがりな意見ではないということがお分かりいただけると思います。

この『ツリシの心得10カ条』は釣りサンデー社が書いているものということで
客観的かつ信頼のおける情報であると言えるでしょう。

この10カ条についてここに掲載させていただき、
『釣りのマナー』の基本として、
ぼくからの情報発信に替えさせていただきたいと思います。

(渡船利用に関する2項目及び日焼けに関する項目については割愛します)

1.自分で出したゴミは持ち帰ろう
「自分くらいは・・・」「人が捨ててるんだから・・・」そんな気持ちで
ボイッと捨てちゃう人がいるんでしょうけど、釣り人が出したゴミが原因で
釣り禁止や立ち入り禁止になった釣り場も少なくありません。

自然の中で遊ぶ人は「自分で出したゴミは自分で持ち帰る」ことを徹底したいですね。
 
2.荷物は広げすぎないように
波止際の探り釣りにエビ撒き釣り、投げ釣りにブッ込み釣りなどなど、
アレもコレも試したところで誘いや探り、打ち返しなどがままならず
釣果は伸びません。

どさっと荷物を広げて少しぐらい釣り座を広くしたところで、
そんなに釣果が伸びるようなことはないんですよ。
それに、自分がこんなことをされたらイヤになっちゃうでしょ。

だから釣り場では、荷物を広げすぎず、釣り座を譲りあって
気持ちよく釣りたいですよね。
 
3.必要以上は釣らず外道や稚魚は逃がそう
サビキ釣りのアジやサバなんかだと大きな群れに当たるとすごい数が
釣れますよね。そんなとき、自分の食べる分だけ釣ったら後は次回の楽しみ、
と思えるくらいになれたらいいな。

外道やエサ取りが釣れたときも、食べないのなら海に返してあげましょう。
狙いの魚であっても稚魚は返して、大きくなってから釣ってほしいですね。
 
4.混雑した釣り場では一声かけて竿出して
休日の波止場などシーズンに入るとすごい賑わいです。

人と人の間で竿を出すことがよくありますが、そんなとき黙って入るのではなく
「ここに入ってもいいですか」「ここに入れてくださいね」など
一声かけてから入るのがマナー。

ついでに「調子はどうですか?」「ここは初めてなんですよ」などなど
会話を交わせば、いろいろ教えてくれる人も多いですよ。
そんな釣り場での出会いから釣り人の輪が広がったりします。
 
5.夜釣りでは明かりを海に向けないで
(上述した通りです)
 
6.根掛かりしてもできる限り仕掛けを海に残さない
仕掛けや糸やオモリ、テンビンなど自然界で分解しないものが
多く使われているし道糸も海中で分解しません。

だから、根掛かりしたら慌てずに、
できる限り海に仕掛けを残さないよう努力しましょう。
 
7.納竿時は水を流して釣り座をきれいに
釣り終わって帰るときにゴミを集めるとともに
忘れてはならないのが釣り座の清掃。

マキエを使う釣りでは少なからずマキエがこぼれていたりするもの。
そのまま帰ると異臭の原因となり、次に来た人が気持ちよく釣れません。

水汲みバケツで水をくんで流し釣り座をきれいにしてから帰るのがマナー。
「来たときよりも美しく」の精神でお願いします。
 
以上、『まんがで覚える旬の釣り まいど 釣らせ屋本舗デス 春・夏編』
2002年4月30日 株式会社 釣りサンデー社刊より掲載させていただきました。
 
みなさん、大蔵海岸をみんなが楽しめる釣り場にしましょうね!(^^)
(あっ、ちなみに今日の釣りはボーズでした。(^^;)